お寿司屋さんの歩き方

お寿司屋さんでのマナー

普段、私たちはそのルーツを意識することなく寿司を食べています。しかし、ふとした拍子に考えたことは無いでしょうか。「寿司を最初に食べた人は誰なんだろう?」「寿司を発明したのは誰なんだろう?」と。そういった寿司のルーツに鋭く迫っていきます。

お寿司屋さんでのマナー 其の一 「生半可な知識をひけらかさない」

近年のグルメブームで、一億総美食家時代とでも言うべき風潮が生まれています。これは本やテレビの受け売りで得た知識をひけらかして、「この寿司はダメだ」「味が濃すぎる」などのダメ出しをするのがグルメの証明であるかのように振舞う傾向です。そもそも、お寿司屋さんは寿司においてのプロフェッショナルです。素人の半可通な知識なんて知っていて当然なのです。美味しく食べている隣で偉そうに説教や演説をしているお客が居たら不愉快になりませんか? 美味いと思ったら褒める、合わないと感じたらそれとなく不満を伝えるなど、互いに不快にならない方法があるのです。

お寿司屋さんでのマナー 其の二 「手で掴むか箸でつまむか」

寿司は、「江戸前の時代から手掴みで食べるものと相場が決まっている」とよく言われます。しかしその一方で、箸でつまんで食べる人も居るわけです。これはどちらが正しいのでしょうか? その答えは「その人にとって食べやすいのであればどちらも正しい」のです。しかし、箸でつまむと崩れてしまったり手で掴むと手の温度が移ってしまったりと、一長一短です。結局のところ、手も箸も「綺麗に寿司を食べるためにある」のです。箸でつまむ時は優しくネタとシャリの両方から挟むようにしましょう。また、寿司をひっくり返すようにしてネタを下にして人差し指と中指で支え、舌の上にネタが来るように口に運ぶのが正しい食べ方といわれています。この掴み方は、醤油に漬けるときシャリを崩さないので見た目にも美しく食べることが出来るのです。

お寿司屋さんでのマナー 其の三 「客の立場で符牒(ふちょう)を使わない」

お寿司屋さんに行くと、「あがりお願い」とか「おあいそ!」と言った言葉が店員さん・お客さん問わず飛び交っていると思います。これはお寿司屋さんでの符牒で、「あがり=お茶」「おあいそ=お勘定」という意味があります。他にも「ムラサキ=醤油」「ガリ=ショウガ」などの一般用語として定着した符牒や、数の符牒などがあります。しかし、この符牒は本来お店の側で使う言葉で、客の立場から使う言葉ではないのです。例えば「おあいそ」と言う言葉は、「お愛想をくれてやれ」というあまりよく無い意味があります。符牒を使うことは美味しかったという気持ちをお店に伝えられないということにもなりかねません。

お寿司屋さんでのマナー 其の四 「食べる順番の組み立て方」

俗に、「寿司を食う時は白身に始まって味の濃いネタで終わる」と言われています。これには味の淡白な白身魚は、トロやアナゴなどの味の濃いネタを食べた後では充分に味わうことが出来ないからだという理由があります。しかし、白身魚やヒカリモノなどが好きではない人も、この順番に従わなければならないのでしょうか? 答えは「No」です。寿司は食べたい順番で食べて構わないのです。ただ、先に食べたネタの味が舌の上に残っていると、淡白な味わいがぼやけてしまうのは確かです。こうした場合、次のネタを食べる前にガリかお茶で舌をリフレッシュさせるのが、ネタの食材や握ってくれた職人さんへの礼儀なのです。

お寿司屋さんでのマナー 其の五 「強い香りを振りまかない」

寿司のネタの中には、その儚い味と香りを楽しむものがあります。俗に、『旬のアナゴは木の芽の香りがする』と言われています。このように、ネタの味わいの中には香りも含まれているのです。しかし、匂いの強い香水を振りまいてきたり、周りに構わず喫煙を始めたりするお客も中には居るわけです。マナーと言うものは、『自分さえよければそれでいい』という考え方の対義語です。周りのお客さんに迷惑を掛けてしまうのではないかと思ったら、即座にやめる勇気も必要なのです。

お寿司屋さんでのマナー 其の六 「一度取った皿は戻さない」

回転寿司屋さんに行くと、食べられないほどに皿を取って手元にキープしていた寿司を「もう食べられないから」レーンに戻すお客をたまに見かけることがあります。いくら安いからと言っても、自分の食べられる量を把握せず食べるだけ食べて、皿を戻すのはマナー違反です。回転寿司屋以外で同じことをやったなら出入り禁止にされてもおかしくありません。回転寿司屋では自分の食べたいものを選び、一つ一つ味わって食べるようにしましょう。

「マナーと言うものは難しいもの」と敬遠する人も多いようですが、マナーの本質は心遣いであり、自分の喜びを相手に伝えるための手段なのです。「こうされたら嬉しい」「こうされたら迷惑だ」という想像を巡らせることこそが、マナーの第一歩なのです。

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