お寿司屋さんの歩き方

アワビ

数ある海の幸の中でも、グローバルワイドに愛されている貝がアワビです。コリコリとした感触と、滋養溢れる旨味こそ、アワビの魅力と言えます。寿司だけでなく中華料理でも主役を張るアワビの魅力とはどのようなものなのでしょうか?

アワビの一般知識

日本名/英名

鮑(アワビ)/abalone

アワビの分類

マキガイ綱ミミガイ科アワビ属

アワビの生態

アワビは主に海底の岩礁に生息しています。食べられるサイズに成長する速度は水温に左右され、北海道・東北地方に生息しているアワビが10cmに成長するまでに7~8年は掛かるといわれています。アワビは水温が低くなり始める9月から10月頃に産卵期を向かえ、海が時化になった時に産卵を一斉に行います。アワビは幼生の頃は繊毛で泳ぎ回るのですが、定住する場所を見つけると繊毛は抜け落ちてしまいます。アワビは主に珪藻や海藻類を餌にして成長します。また、養殖物のアワビは珪藻を食べないで育つため緑色の殻を作ります。

アワビの旬の時期

◎ アワビのオススメ度
おいしさ
歯ごたえ
好き嫌い
価格
香り
★★★★- 4
★★★★★ 5
★★★-- 3
★★★★★ 5
★★★★- 4

アワビの旬の時期は産卵期間近の夏場です。産卵期が近づいたアワビは雌雄ともに生殖腺が膨らみ外部に露出します。アワビは身もさることながら肝の部分が珍味として珍重されているのです。プリップリに膨らんだアワビの肝は裏ごしして身に和えてもよし、刺身にしてもよしの海の宝物です。江戸時代には、水揚げしたアワビは塩茹でしてから天日干しにして乾物にしてフカヒレなどと共に中国に輸出していたそうです。

アワビの種類

寿司屋で使用されているアワビには次のようなものがあります。

クロアワビ

高級食材として知られるアワビの中でも最も高級といわれているのがこのクロアワビです。味もよく、かつては伊勢神宮などへの奉納品として扱われていました。

エゾアワビ

北海道から東北地方の近海に生息するアワビです。種別的にはクロアワビが北方の環境に 適した種と考えられています。

メガイアワビ

メガイアワビのメガイは「雌貝」が転じたものと言われ、かつてはクロアワビが雄でメガイアワビが雌と考えられていました。

マダカアワビ

マダカアワビは殻から飛び出た目の部分が他のアワビよりも大きいことから「目高」アワビと名付けられました。市場ではあまり見かけませんが、他のアワビよりも殻が厚く身が太いアワビです。

ビクトリアアワビ

輸入物のアワビとして使われているのがこのビクトリアアワビです。原産地はオーストラリアで、国産のものに比べて安く身が柔らかいのが特徴です。

アワビで健康!ヘルシー!

アワビに含まれている成分は、このような効果を齎してくれます。

疲労回復効果

アワビに含まれている栄養分として有名なのは、栄養ドリンクにも配合されているタウリンではないでしょうか。疲労回復効果の高い栄養分であるタウリンのほかにも、筋肉の調整を行うロイシン、ダイエットサプリメントとして注目されているアルギニンなどが含まれています。アワビは秦の始皇帝が道士・徐福に命じて探させた不老長寿の霊薬の正体とも言われ、その殻は漢方薬としても使われているほど人気が高いものです。

アワビの美味しい食べ方

古来、卑弥呼も好んで食べたと言われているだけあってアワビには様々な料理法が存在しています。

アワビのステーキ

洋食文化が息づいた日本で生まれた和風洋食の一つです。殻から外したアワビの身をステーキ肉に見立てて焼き上げた一品です。熱を加えることで身のたんぱく質が変性しコリコリとした食感を残しながらもジューシーで柔らかい味わいに仕上がった一品です。

アワビのサケ蒸し

日本独特の技法で、日本シ酉を振り掛けてフランベするように蒸し煮するのがこの料理です。アワビの美味さと香りを引き出す、最上の技巧を尽くした料理として懐石料理などで珍重されています。

いちご煮

アワビとウニを使った、青森の郷土料理です。アワビもウニも昆布を餌にしているので相性抜群なのです。採れ立てのアワビとウニを潮汁に仕立てたいちご煮は、潮の香りが芳しい一品です。

アワビのバター焼き

アワビは海の幸としては最上級品なのですが、難点を言えば脂肪分が薄いことです。そこで薄く切って食べやすくしたアワビに、バターを入れて焼き上げるとアワビのバター焼きが出来上がります。ホクホクしたアワビの食感にバターが絡んで絶妙な味わいを醸し出すのです。

アワビの軍艦巻き

九州地方の名物料理の一つです。小ぶりのアワビを軍艦巻きに仕立てた一品です。江戸前などで扱うアワビは大ぶりなものが好まれますが、軍艦巻きにすれば小さいアワビも丸ごと食べられると好評です。

直感寿司占い・アワビ編

一番始めにアワビ(鮑)の寿司ネタを選んだアナタはずばり「リーダーの素質のあるタイプ」でしょう! アワビは超高級食材として世界中で重宝されています。まさに食のリーダー的存在といえるでしょう。そんなアナタは、人をまとめ、正しきあるべく方向に導くことのできる力量の持ち主です。組織やグループのリーダーとして活躍することが出来ます。重責ポジションでも悠々自適に振る舞う姿は、他の方の目にはたいへん頼もしく映ると思います。ただ、一歩間違えれば、自分だけではなく慕ってきた方たちの未来を変えてしまうほどの影響力があるので、その責任は大変重たいものになります。

コラム

磯のアワビの片思い

日本人がアワビを食べだしたのは縄文時代にまで遡ると言われています。アワビは割りと浅い海底に生息するので、無理せず獲れる美味な食材として古来より愛されてきたのです。日本最古の歌集と言われる「万葉集」にも幾つかのアワビを取り上げた歌が存在していることがわかっています。中でも「伊勢の海人 朝な夕なに 潜つぐ 鮑の片思いにして」という歌は「磯のアワビの片思い」ということわざの元と言われています。アワビは巻貝の一種なので、夫婦の仲のよさに例えられるハマグリのように二枚一対の貝殻を持っていません。そのため、「アワビはいつか自分の伴侶になる誰かを常に思い続けているのだ」と考えられていたのです。

美しさを隠し持つアワビ

アワビは一見グロテスクな形状の身をもっています。しかし、身を外して残る殻の内側には美しい虹色の輝きを隠し持っているのです。この輝きは真珠と同じように、カルシウムとたんぱく質が重ね重ねに形成されていくことで浮かび上がるものなのです。この真珠質の輝きから、アワビの殻は螺鈿細工の材料として用いられておりボタンの材料などに使用されています。


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